ダンマパダ 法句経 行ない清き人の章
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行ない清き人よ、勇気を持って（欲望の）流れを断ち
感覚的快楽を捨てよ
世の諸々のことは消滅するものであると知れば
作られざるもの（安らぎ）を知るだろう
（精神集中と観察の）二種の瞑想によって
向こう岸に渡った、行ない清き人
彼は、物事をよく知った人であり
全ての束縛は消え失せる
向こう岸も、こちらの岸もなく
向こう岸、こちらの岸の（区別）もなく
恐れもなく、束縛もない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
静かに思い、汚れなく、落ち着き
成すべきことをなし、心の汚れを除き
最高の目的を達成した人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
太陽は昼に輝き、月は夜に照り
武士は武具をつけて輝き、行ない清き人は瞑想に輝く
ブッダは昼夜を問わず
常に輝く
悪を取り除いた人が、行ない清き人と呼ばれ
行ないが穏やかな人が、努める人と呼ばれる
汚れを除いた人が
出家者と呼ばれる
行ない清き人を打つな
行ない清き人は、自分を打った相手を怒るな
行ない清き人を打つのは、恥ずべきことであり
打った相手を怒るのは、さらに恥ずべきことである
愛しきものに対する心を自制するのは
行ない清き人として優れたことである
他人を傷つける心が止むにつれ
苦しみが鎮まる
身体による、言葉による
心による悪い行いをなさず
（身口意の）三つの行いを自制する人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
目覚めた人（ブッダ）の説かれた教えを
教えてくれる人を
恭しく敬礼せよ
バラモンが祭祀の火を恭しく尊ぶように
螺髪により、氏姓により
あるいは生まれにより、行ない清き人なのではない
真理と道理に従い、安らかな人
彼こそが行ない清き人である
愚か者よ、螺髪を結うて何になるのか
カモシカの皮をまとって何になるのか
内に汚れを秘めて
外を飾るだけである
糞掃衣をまとい
痩せて、血管があらわれ
独り林の中にあって瞑想する人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
バラモン女性の胎（子宮）から生なれ、バラモンを母に生まれた人を
私は、行ない清き人とは呼ばない
所有欲のあるバラモンは
（人を見下して）「きみよ」と呼びかける
無一物で、執着のない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
全ての束縛を断ち切り
恐れることなく
執着を超越して、囚われることの無い人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
紐（怒り）、革帯（欲望）、網（誤謬）
その他の類するもの（汚れ）をともども断ち切り
門を閉ざす閂（無知）を外し、目覚めた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
罪がないのに、罵られ
殴られ、拘禁されても堪え忍ぶ
忍耐力があり、心の猛き人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
怒ることなく、慎み深く
戒めを守り、欲深ではなく
自制し、最後の身体に達し（もはや輪廻しない）人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
蓮の葉の上の露のように
針の先端の辛子の粒のように
感覚的快楽が身にへばりつかない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
この世において自分の
苦しみの消滅を知り
重荷をおろし、囚われのない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
洞察深く、聡明で
歩むべき道とそうでない道を知り
究極の目的を達成した人
私は彼を行い清き人と呼ぶ
在家者とも出家者とも
いずれとも交わらず
住まいを定めず遍歴し、欲少ない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
強きものも、弱きものも
命あるものに危害を加えることなく
殺さず、また殺させることの無い人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
敵意ある人たちの中にあって、敵意なく
暴力を振るう人たちの中にあって、穏やかで
執着する人たちの中にあって、執着しない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
辛子の粒が針の先端から落ちるように
執着と悪意と
傲慢と偽善が消え落ちた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
粗野でなく、真理の言葉で、
人を諭し
誰の気持ちも傷つけない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
この世において、長かろうと短ろうと
微細であろうと粗大であろうと、清らかであろうと不浄であろうと
与えられていないものを取らない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
現世でも、来世でも
望むことなく
欲求がなく、囚われの無い人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
執着なく
道理を知り尽くして、疑惑なく
不死の域（安らぎ）に達した人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
この世の禍いと幸福のいずれにも
執着することなく
憂いなく、汚れなく、清らかな人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
雲間の月のように
清く澄んで、濁りなく
歓楽に生きることをやめた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
この障害の多い険しい道
輪廻、迷妄を超え
向こう岸に渡って、瞑想し
動揺することなく、疑惑なく
執着することなく、安らかな人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
この世の愛欲を断ち切り
出家して遍歴し
愛欲に生きることを止めた人
私は彼を行ない 清き人と呼ぶ
この世の愛情の執着を断ち切り
出家して遍歴し
愛執に生きることを止めた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
世の中の束縛を捨て
天界の束縛を超え
全ての束縛を離れた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
楽しいことも、楽しく無いこともともに捨て
冷静で、執着せず
全世界に打ち勝った勇気ある人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
生きとし生けるものの
生死を知り尽くし
執着なく、善いところに赴き、目覚めた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
神々もガンダルヴァも人間も
その行方を知り得ない人
心の汚れを消し尽くした、まことのひと
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
前にも後にも中間にも
何物をも所有せず
無一物で、執着のない人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
牡牛のように雄雄しく
気高く、勇猛な勝者
欲望なく、汚れを洗い落とし、目覚めた人
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
前世の生涯を知り
また天上と地獄とを見
成すべきことを全てなし終え
生存を滅ぼし尽くし（もはや輪廻せず）
智慧を完成した聖者
私は彼を行ない清き人と呼ぶ
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